本を読むのが苦手だった私ですが、ある時から本を読み始めて、とてもワクワクした記憶があります。
本を読むのが苦手な方、読みたいけどキッカケを失ってしまった方、本をどうやって読むのがいいのかわからない方へ、「本の読み方」を中心にした「自己啓発」の書籍を紹介しています!
今回ご紹介するのは西岡 壱誠著「東大読書」です。
西岡さんの著書は「東大作文」「東大思考」など「東大シリーズ」で有名になりましたね。
「東大‥」と聞いて「私には無理!」「東大生とは頭の構造が違うよ!」と引いてしまいますよね!
私も最初は引いてしまい、手にとるのに迷いがありました。
でも、皆さん、ご安心ください!
大丈夫ですよ、難しくないです!
なぜかって? まずは彼の経歴をご紹介しますね。それで少しは安心しますよ!
私は安心して、そしてより興味を持って読み始めました!
著者 西岡 壱誠
西岡さんの主な経歴は下記の通りです。
- 1996年3月 東京都府中市出身 (生まれは北海道)
- 聖徳学園小学校、宝仙学園中学・高校卒業
- 偏差値35から勉強して東大受験にチャレンジ。 奇跡は起こらず、合格せず
- 翌年も、不合格。2浪という崖っぷちで勉強方法を見直す
- 暗記術、読書術、作文術を独自に開発して、偏差値70となり
東大模試で全国4位に浮上! 念願の東大合格を果たす - この時の経験をもとに「東大作文」「東大読書」「東大思考」を執筆して出版
- 講談社の漫画「モーニング」で連載した「ドラゴン桜2」に情報提供し、日曜劇場「ドラゴン桜」の監修も務める
- 20206月に株式会社 カルペ・ディエムを設立(中央区東日本橋2丁目2−15)
- 学校への教育事業支援、書籍の出版権利管理、学校への教育事業支援などを行う
- 全国6つの高校で「リアルドラゴン桜プロジェクト」を実施
この書籍のポイント
「読書方法」はさまざまあると思います。
今まで紹介した成毛眞さんや松岡正剛さんもそれぞれ読書に対する考え方は違います。
西岡さんも他の2人とは異なります。
この書籍は西岡さんが東大3年生の時に出版した書籍です。
歴代東大合格者ゼロの無傾向のビリ(偏差値35)が2浪してから「『読む力』と『地頭力』を身につける読み方」を実践した結果、みるみる成績が向上して東大全国模試で4位獲得。
東大合格を達成し、家庭教師として「『読む力』と『地頭力』を身につける読み方」をレクチャーする。
本書はそのノウハウを解説した書籍です。
書籍の構成は「はじめに」「PART1」「PART2」の3つに分かれています。
「PART1」は『地頭が良くなる「東大読書」の5ステップ』
「PART2」は『東大流「読むべき本」の探し方』
私の現在のブログテーマは、さまざまな読書方法を紹介するのが目的なので
今回は「PART1」の「5つのステップ」を紹介したいと思います。
それぞれに「Point」が記載されています。
- はじめに:東大読書 Point 1〜 2
- PART 1 :東大読書 Point 3〜57
- PART 2 :東大選書 Point 1〜 6
PART 1 『地頭が良くなる「東大読書」の5ステップ』
PART 1は下記の5つのステップで構成されています。
- STEP1 仮説作りで「読み込む力」が劇的に上がる
- STEP2 取材読みで「理論の流れ」がクリアに見える
- STEP3 整理読みで難しい事も「一言」で説明できる
- STEP4 検証読みで「多面的なモノの見方」を身につける
- STEP5 議論読みで本の内容を「ずっと記憶」しておける
それぞれのStepについて、紹介していきますね!
STEP1 仮説作りで「読み込む力」が劇的に上がる
東大生は「読み始める前」に考えるようです。
勝負は本を手に取った時から始まっています。
本にはタイトルがあります。
そして装丁があり、そこには副題や
イメージ画像があります。
また、帯には本の要約や推薦者による
優れた点がコメントされています。
ここから得られる情報でさまざまな事がわかります。
このちょっとした事がとても重要なのです。
STEP1で主要なPointとなる文章を引用しておきます。
これだけで主たる概要はわかると思います。
・東大読書 Point 3
「本や文章が読めない問題」の原因の9割は「準備不足」・東大読書 Point 4
東大生が文章を素早く、かつ正しく読めるのは「読む力」が優れているからではなく「文章の外からのヒントを得る力」があるから・東大読書 Point 5
装丁読みで「ライト」を、仮説作りで「地図」を入手すれば、どんな本も解読できる!
・東大読書 Point 10
本の受け取り方・内容は読者によって全然違う。仮説作りの結果は、人によって違って問題ない!・東大読書 Point 13
「PART 1 ー STEP 1」より
「装丁読み」はミクロな視点、「仮説作り」はマクロな視点。
STEP2 取材読みで「理論の流れ」がクリアに見える
東大生は「読者」ではなく「記者」になるそうです。「記者」なので、本に対して取材をするのです!
取材だから「質問攻め」です!
常に「質問」を考えていないといけません!
「質問」を考え続けるためには、
本に集中して頭をフル回転!
「質問」を沢山考えられれば、
本を深く理解したことになるでしょう!
逆に言うと、沢山の「質問」が作れた本は、「記者(読者)」にとってとても良い本だと言えると思います!
東大生は沢山の「質問」を作り、頭をフル回転して、
自分に適した感動した本から、沢山の財産を得ています!
あなたも「記者」になて、目の前にある本を「取材」してみませんか?
STEP2で主要なPointとなる文章を引用しておきます。
・東大読書 Point 14
本の「読者」になるのではなく、本の「記者」になるべし!・東大読書 Point 16
「取材読み」で、感情を込めながら文章を理解できる!
感情がわかると、文章の流れがよくわかるようになる!・東大読書 Point 17
「質問しよう」と思えば、「情報」ではなく「知識」が得られる。・東大読書 Point 20
著者にとって「良い質問」ができるのが、良い読者。
「良い読者」になれば、論理の流れがクリアにわかる!・東大読書 Point 21
「疑わしいこと」に疑問を持ち、自分で調べるのが「追及読み」
・東大読書 Point 22
質問を考えると読解力が、疑問を考えると思考力が高まる。・東大読書 Point 24
「PART 1 ー STEP 2」より
「追及読み」は、東大でも頻繁に使われる実践的なトレーニング!
STEP3 整理読みで難しい事も「一言」で説明できる
東大生は立ち止まりながら読むそうです。
立ちどまって、つまり、読書を中断して、居眠りして‥‥
ではなく! 立ち止まって
- 整理して
- 要約して
- 推測して
読んでいくそうです!
「整理する」ことがまず基本的です。これがないと先に進めません。
では、どうやって整理していくのでしょうか?
本は「骨」と「身」からできている「魚」です。
「骨」は言いたいこと、「身」は補足です。
「骨」を見つけられるかが、ポイントになります。
「身」を剥がして「骨」を発掘しましょう!
本を「骨」と「身」に分けるのが、本を「整理する」時に最初に行うことです。
この「骨」はどうやって見つければ良いでしょうか?
あなたはサンマを食べる時、どうやて食べますか?
私はサンマを食べる時、最初に頭持って泳いでいる時のように立たせて、
背中をハシで頭の方から背中に向かった徐々に押していきます。
すると身が柔らかくなって、骨が綺麗に簡単に取れますよ!
サンマを食べる時と同じで、文章の「頭(文頭)」と「しっぽ(文末)」を見つけられれば、
「骨」は簡単に見つかります!
新鮮なサンマは骨が綺麗に取れますが、新鮮さが欠けるサンマは骨が折れやすいですよね!
それと同じで新鮮な(良い)文章は「骨」がみつけやすく、
イキの悪い文章は「骨」が見つけにくいと思います。
新鮮な文章で「骨」を見つけたら、一言で言い換えてみましょう!
最初は短い文章にして、その後徐々に言葉を削ってもいいと思いますよ!
「整理する」とはなるべく短い言葉で表す、できれば一言で表せることです。
ながながと説明するのは整理したことになりません。
「身」を剥がした「骨」は一言で話せるように考えてみましょう!
STEP3で主要なPointとなる文章を引用しておきます。
・東大読書 Point 25
短い言葉で言い表せなければ、理解していないのと同じ。・東大読書 Point 27
本は「魚」であり、「身」と「骨」がある。「骨」は言いたいことで、「身」は補足である。
・東大読書 Point 30
短い節・章の要約的な一文を探し、部分的なまとめを30字以内で書く。それを見ながら140字以内で全体のまとめを書こう!・東大読書 Point 32
「要約読み」で情報の取捨選択に慣れれば、「端的に伝える力」が身につく!
・東大読書 Point 35
短い言葉「例示」「比較」「追加」「抽象化・ 一般化」の4パターンを駆使して次の展開を推測しよう!・東大読書 Point 36
「PART 1 ー STEP 3」より
「要約読み」「推測読み」を同時並行すれば、常に「整理」しながら読めるようになる!
STEP 4 検証読みで「多面的なモノの見方」を身につける
東大生はカバンに「2冊の本」を入れているそうです。
つまり、いつも2冊持っていて、一冊読み終わったら、
すぐ次の本を読めるようにしている‥‥
わけではありません!
東大生は2冊同時並行読みをしているのです!
同時並行読み‥‥どこかで聞いたことはないでしょうか?!
私の他の記事にある成毛 眞さんの『本は10冊同時に読め!』です。
また、松岡正剛さんも同時並行読みをしています!
やっぱり、同時並行読みは強い!
一言で同時並行読みと言っても3人とも意味合いが少しずつ異なります。
【成毛 眞さん】
- 10冊同時に並行する場合、ジャンルは自由で良い
- 似たようなジャンルでも全く違う「論述」「小説」「マンガ」「詞」でも良い
- 成毛さんの同時並行読みは「飽きない」つまり「読書継続」手法であり、「息抜き」であり、「セレンディピティ(偶然の発見)」の楽しさを味わわせてくれます!
【松岡 正剛さん】
- 「編集工学(別の記事参照)」で読書するため、基本は同じジャンルの並行読み
- 頭を休めて、英気を養うための同時並行読み(中長期)
『知の巨人』セイゴオさんでも「量子論」「国学」を読み続けるのはシンドイ!
そんな時は「俳句や連句」「歌集」を読んだり、「ハードボイルドやミステリー小説」を読んだり、時には「マンガ」も読む - セイゴオさんの同時並行読みは「編集工学」であり、「読書継続」手法であり、「息抜き」です。
これに対して【西岡 壱誠さん】の同時並行読みは2人と少し異なります。
基本的に同じジャンルですが下記の6つのポイントで分かれた本なら、どんなジャンルでも多くのことが得られるそうです。
❶ ポジティブな目線で見る本とネガティブな目線で見る本
例1:「トランプ大統領肯定の本」と「否定の本」
例2:「世界に誇れる国・日本」という本
「日本経済はどうして落ち目なのか」という本❷ 「目線」が違う本
例1:「政治的な視点からトランプ大統領を見る本」と
「歴史的な視点から見る本」
例2:「キリスト教の歴史」という本と
「キリスト教は社会にどう影響を与えているのか」という本❸ 人物・地域・出来事など‥‥「着眼点」が違う本
例1:「トランプ大統領についての本」と
「近年のアメリカ大統領選挙についての本」
例2:「ヒトラーについて考える」という本と
「第2次世界大戦の時のドイツについて考える」という本❹ ミクロな視点から見る本とマクロな視点から見る本
例1:「トランプ大統領についての本」と
「現代の国際政治の変動についての本」
例2:「明日から使える時間術」という本と
「そもそも時間とはなんなのか?」という本❺ 読者ターゲットが違う本
例:「誰にでも分かりやすくトランプ大統領について語る本」と
「専門家向けにトランプ大統領について深く考える本」❻ 著者の「立場」が違う本
「図表8 共通点も相違点も発見しやすい2冊の例」より
例:「元文部科学省の官僚が描く現代教育の歪み」という本と
「現場の教師目線から描く現代教育の歪み」という本
西岡 壱誠さんは同時並行読みで『多面的な思考力』を身につけています。
東京大学は入試の段階でも学生に「多面的な思考力」「多角的の考え方」を求める大学らしいです。
「1つの意見にこだわらず、いろいろな角度から物事を考えられる人間の方が、学問をする上で成長する出来る」と考えているからだそうです。
同時並行読みで、楽しみながら「共通点」を探し、「相違点」を考え、そして最後に「相違点の理由」を考えて、「多目的な思考力」を鍛えられるのです!
あなたも「西岡流 同時並行読み」を試してみませんか?
同時並行読みをさらに深めるために「クロス読み」で「交錯ポイント」を探す方法が書かれています。
興味ある人は購入して読んでくださいね。!
STEP4で主要なPointとなる文章を引用しておきます。
・東大読書 Point 37
短い同時並行で複数の本を読むことで、「意見の隔り」を避け、「主体的な読書」が可能になる!・東大読書 Point 39
「検証読み」は東大も求める「考える力」を鍛えるのに最適な読み方!・東大読書 Point 40
「検証読み」は東大も求める「考える力」を鍛えるのに最適な読み方!・東大読書 Point 41
東大生の大奥が「パラレル読み」を楽しんでいる!・東大読書 Point 42
パラレル読みは、必然的に「考えながら読む」ことにつながる!・東大読書 Point 45
「PART 1 ー STEP 4」より
「パラレル読み」で「共通点」を探し、「相違点」を見つけ、「相違点の理由」を考えれば、自然と「多目的思考力」が身につく!
・東大読書 Point 46
クロス読みとは、議論が分かれる「交錯ポイント」を探す読み方!
・東大読書 Point 47
「交錯ポイント」はノートにまとめることで、ずっと使える「武器」になる!
・東大読書 Point 49
「交錯ポイント」が広すぎると議論がずれる。なるべく「ピンポイント」で探すように心がけよう!
STEP5 議論読みで本の内容を「ずっと記憶」しておける
東大生は「アウトプット」を重視する
そうです。
「読みっぱなし」は効果半減になります。
本を活かせていない人は多いと思います。
その理由は「本と『会話』をしていない」
からだそうです。
人の話を一方的に聞いていても、内容が頭に残る事は少ないと思います。
相手の話に質問したり、意見したりして「会話」をした方が、内容が頭に残りやすいですよね!
「自分が相手に話す時間」があったほうが、頭に残りやすいのです。
読書は「本と『会話』すること」が重要です。
本から著者の意見を聞き、それに対して、疑問や意見を思い浮かべ、それに対する回答を読み取ることで、本との『会話』が成立します。
この「インプット(本の内容)」は「アウトプット(あなたの意見)」することで活かされ、理解が深まり記憶にも残りやすくなります。この原理はどの分野においてもあてはまるそうです。
アウトプットを重視した読み方として「議論読み」が紹介されています。
「議論読み」は「本の内容を忘れずに、ずっと使える自分の知識にする」ための読み方です。
「議論読み」は次の3つで説明されています。
- STEP1で作成した「仮説」の「答え合わせ」
- 一言もしくは数行で「本の帯」を考える「アウトプット要約」
- 「著者の考えに同意」できたか「自分なりの結論」
今まで紹介したSTEP1〜4を行い「議論読み」をして、最後に「自分なりの結論」をまとめられれば、「東大読書」は完成します!
最初から難しく考えないで、「感想」を書いたり、一言から数行程度で「要約」したりするだけでも、「アウトプット」をしたことになりますよね!
要するに「アウトプット」が重要 なのです!
STEP5で主要なPointとなる文章を引用しておきます。
・東大読書 Point 52
本とは会話できるし、そのほうが理解しやすい!・東大読書 Point 53
本は「アウトプット」すれば、本の内容がより深くわかるようになる!・東大読書 Point 54
感想も立派なアウトプット!
東大生はアウトプットが大好きだがら、知識を得られる!・東大読書 Point 56
「PART 1 ー STEP 5」より
「帯コメント」を作れば、その本の内容は一生忘れない!
PART 2 『東大流「読むべき本」の探し方』
PART 2では「本の選び方」、
つまり「どうやって本を選べば良いか」について語られています。
冒頭に記載したとおり、
このブログは本の読み方について書いているので、PART2は目次だけ紹介します。
- METHOD 0 「得るものが多い本」をどう探すのか
- METHOD 1 売れている本・ベストセラーを選ぼう!
1.なぜ「ベストセラー」なのか?
2.ベストセラーは「毒」か「薬」のどちらかだ
3.ベストセラーは「次の本」への道しるべになる - METHOD 2 信頼できる人のレコメンデーション
1.他の人に考えてもらう、とは
2.知り合い以外に教えてもらう方法 - METHOD 3 時代を超えて読み継がれている古典
1.時代を超えた価値がある
2.「今の考え方」のベースになっている - METHOD 4 今年のマイテーマを決める
1.「今年のテーマ」
2.10冊読める期間で区切ろう - METHOD 5 「読まず嫌い」を避ける
1.知識は深い方がいい?
2.「読まず嫌いチェック表」の作り方
PART 2ではPointが6個記載されています。
各ページの下にも様々な書籍が紹介されています。
日本では、専門書も含めて、毎年約70,000点の新刊が発行されます。
新たな書籍が発行されても上記METHODを参照すれば、良い選書がですよ!
おわりに
いつもは全体の目次を記載してから「おわりに」を書いていますが、本編で全体目次は網羅していますので、割愛しますね。
あなたは、マンガでもドラマでも「ドラゴン桜」はご覧になりましたか?
「ドラゴン桜」の頭の中はこんな感じのようです。
あなたも「ドラゴン桜」の頭脳を少しだけでも体験してみませんか!?
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