JAXAの若田宇宙飛行士が宇宙ステーション(ISS)に到着して1ヶ月が経過しました。
前回の記事で紹介した宇宙ドローンの国際プログラミング世界競技は2022-10-29に決勝が行われました。JAXAの ホームページに動画が出ていましたので、前回の記事の最後に追加して起きました。
興味ある人は見てくださいね。
結果は、台湾の「KIBO la an Tsu bu KIBO/Robology Awesome Alins」チームが優勝しました。
2位はインドネシア、日本は3位でした!以外とアジア系が強かったですね!
競技結果の動画前半にはこのプログラミングの意義も述べられています。
企画者、参加者の皆さまには、これから宇宙開発を協力的に進めると共に、世界の平和的交流も進めてもらえるといいですね!
さて今回はJAXA以外の日本の宇宙開発事業について書きますね!
堀江貴文 ホリエモン
日本の宇宙事業の関係者で、JAXAの次に知名度が高いのは堀江貴文さんではないでしょうか?
堀江さん、いや「ホリエモン」と書いた方が、しっくりきますね。「ホリエモン」自身が広告塔となって「宇宙事業の未来性」を熱く語っています。
ホリエモンが創設者となる宇宙産業の会社が
「インターステラテクノロジズ」です。
インターステラテクノロジズ株式会社
インターステラテクノロジズは北海道の大樹町に本社を構えています。東京支社は江東区東陽町のイースト21タワーにあります。
創業者はもちろんホリエモンですが、代表取締役社長は稲川貴大さん。
稲川さんは2013年東京工業大学 大学院 機械物理工学専攻を修了しています。ホリエモンの後輩と思っていましたが、違ってましたね。
ホリエモンと会った当時、稲川さんはニコンに内定をもらっていたそうです。
ライブドア事件で仮釈放中だったホリエモンが久しぶりに大樹町のロケット発射場をおとづれたとき、インターステラテクノロジズの社員が、ロケット打上げの手伝いをしていた稲川さんを、ぜひ入社させて欲しいと嘆願しました。
稲川さんは学生時代に「鳥人間コンテスト」の『鳥』設計をしたり、東工大でハイブリッドロケットの打上げサークルを設立したりしていたそうです。それでロケット打上げの手伝いをしていました。
ホリエモンが話を聞いたところ、稲川さんはもともと宇宙事業をやりたくて、JAXAや他のロケット事業を行う企業を片っ端から受けたのですが、全て落ちてしまい、しかたなくニコンに就職することになったと説明したそうです。
それを聞いたホリエモンは、スティーブ・ジョブスがジョン・スカーリー(当時ペプシコーラの社長)に「お前は一生砂糖水を作りたいのか?それとも私と一緒に世の中を変えたいのか?」と言って口説いたように、
「お前は宇宙に夢を託したいのか、それともカメラメーカーに就職したいのか、どっちだ?」と訪ねたところ、稲川さんは即答で就職を決めたそうです。(二人のインタビュー動画より)
このやりとりがあったのはニコン入社式(4/1)の3日前。当然ですが、ニコンからはメチャクチャ怒られたそうですよ!
でも、人生の岐路に立てる人は、数少ないですよね。土壇場まで行かないと、岐路に立てるチャンスは、ないかもしれませんね!
企業理念
インターステラテクノロジズ株式会社は「誰もが宇宙に手が届く」というビジョンのもと、「地球の暮らしを豊かにする」ことを目標として、民間企業として宇宙の総合インフラの構築を目指しています。
そのために必要になるのは「衛星」であり、それを打ち上げる「ロケット」です。
現在、具体的には下記の2つのプロジェクトを中心に開発が行われています。
- ZERO:小型衛星打上げ用ロケット(ロケットの名称)
- OUR STARS:衛星サービスの開発・研究をする会社(企業名)
インターステラテクノロジスのHP(ホームページ)には、いきなり「ZERO」と「OUR STARS」が並列で記載されているので、すぐに理解できない方もいるかもしれませんが、
- 「ZERO」:開発しているプロダクト(ロケット)の名称
- 「OUR STARS」:研究・開発を行う企業の名称
ということを念頭に置いて読んでいただけると理解しやすいと思います。
私も最初は理解できませんでした!(笑)
インターステラテクノロジズは「ホリエモン ロケット」とも言われていますが、「ホリエモンが趣味でロケットを作っている会社です!」と、書くと稲川社長に怒られます!
稲川社長、並びにホリエモンは、インターステラテクノロジズが行う宇宙事業が「日本の次世代の基幹産業になる!」ことを確信しています。
この考え方を支持する人も多く、夏野剛さん(株式会社KADOKAWA代表取締役社長・株式会社ドワンゴ代表取締役社長)もその一人です。
世界の宇宙産業市場は2020年で40兆円規模ですが、2040年には100兆円規模になると言われています。わずか20年で60兆円も増えて、2.5倍に成長する市場は珍しいのではないでしょうか?
Web3.0のような仮想空間ではなく、リアル産業では250%に膨れる市場は、いかに時代の進化が早くなっても、脅威ですよね!
リアル産業で世界最大の巨大市場を持つのが自動車産業です。2019年は約400兆円の市場でしたが、2020年はコロナ禍の影響で20%減、320兆円規模になったようです。(2020/8/14 産業タイムスより)
世界各国で大量の自動車が走っていますが、それでも市場は300〜400兆円。
現在の宇宙産業はほとんど国家プロジェクトですが、国でも参加していない、いや技術面や資金面、立地条件で実現できない国がほとんどです。
ましてや宇宙産業に参画している民間企業は米国と日本だけではないでしょうか?
民間企業で参画しており、現時点ででもかなりのテスト結果を残しているインターステラテクノロジズは「すご〜い!!!」と思いませんか?
ZERO
「ZERO」はオンデマンド方式(ユーザの要求があった際に要求に応じてサービスを提供する)で宇宙輸送サービス、つまり宇宙の運送業を行うのに必要な、ロケットの名称です。企業名ではありません。プロダクト名です。
運送業に必要な要素は「早い」「安い」「どこへでも」の3つ要素です。
そして宇宙輸送に使われるのは、誰もが知っている「ロケット」です!
「ZERO」は超小型人工衛星を地球周回軌道に届ける為のロケットで、インターステラテクノロジズが日夜、開発をしています。
「早い」「安い」「どこへでも」を実現させるためには、衛星自体を小型にして、ロケットも小型にすることが重要です。
JAXAやイーロンマスクのスペースXのロケットは大型ロケットです。
JAXAのH3ロケットは全長約63m、打上げ費用約50億。
イーロンマスク率いるスペースXのロケット「ファルコン9(Falcon 9)」は全長が約70m、打上げ費用約99億円。(6700万ドル×148円 円安レート換算)
それに比べて「ZERO」は全長24mの超小型衛星打上げ専用ロケットです。
打ち上げ費用約5億!
打上げ費用はJAXA「H3」の1/10であり、スペースX「ファルコン9(Falcon 9)」の1/20の費用で打上げられますよ! 安い!!!
専用打ち上げからライドシェア(相乗り)まで、ご希望に応じて選べるようです!
また、ホリエモンはロケットで海外に進出しようとしています。
海外進出と行っても、ロケットを輸出するわけではありません。輸出は国家安全保障上、御法度です。(先端に人工衛星ではなく、爆薬を入れるとミサイルになるので‥)
外為法で合法となる国から衛星などを輸入して「ZERO」にセットして打ち上げることは可能らしいですよ! ホリエモンはここを狙っています。
MOMO
「ZERO」以外のロケットに「MOMO」があります。
「MOMO」は高度100kmに到達するまで上昇して、その後、自由落下する弾道飛行ロケットで単独の観測用ロケットです。「100km」の「百」を「もも」と呼ぶことから付けられています。
最高速度はマッハ5程度です。
「MOMO」は失敗と成功を繰り返して、7号機まで打上げられました。
2号機は発射直後に爆発炎上して、ニュースになりましたね。
この失敗を乗り越えてMOMO3号機は無事に発射成功!
高度100kmに初めて到達! やっと「MOMO=百」になりました!!
日本の民間ロケットで宇宙空間に初めて到達したのはMOMO3号機です!
液体燃料ロケットで宇宙空間に到達しのは世界で4社目で、アメリカ以外ではインターステラテクノロジズだけです!スゴいですよね!
「MOMO」は様々な観測機器や企業・個人から預かった荷物を搭載して宇宙空間まで到達させますよ!
3号機の成功の後も失敗しながら、2021年7月に「ねじのロケットMOMO7号機」まで打上げられました!
「MOMO」で宇宙空間まで到達したのは、3号機、6号機、7号機の3機で、「百」まで到達したのは3号機、7号機。6号機は92kmでした。
現在は「MOMO」の開発・打上げは一時停止して、「ZERO」の開発を優先しているようです。
OUR STARS
「OUR STARS」は「通信」「リモートセンシング(地球観測)」「宇宙実験」の3分野で、高性能かつ便利な次世代「衛星サービス」の研究と開発をする会社として2021年1月に設立されました。
「OUR STARS」はインターステラテクノロジズの100%子会社です。
主なサービスは下記の3つです。
フォーメーションフライトによる衛星通信サービス
超小型衛星を数千個打上げて大きなアンテナ機能を果たします。ピンポン玉の大きさで高品質・長寿命・短納期を実現しようとしています!
ピンポン玉の大きさですよ!小さいですよね!
現在、世界で主流となりつつある小型衛星のコンステレーション(星座→つまり編隊飛行の形体)で、優れたアンテナ機能を発揮します。
この衛星通信サービスは、現在、世界中に存在している通信サービス機能をはるかに超えて、通信に革命を起こすことを目指したいます!
イーロンマスクのスペースXがスターリンクという衛星通信サービス行っていますが、衛星自体をはるかに小型化にすることで、衛星製作費と打上げコストを低減する事が可能です。
コストを低減できれば、かなりの数の小型衛星を宇宙空間に打上げられますね!
昨今問題になっているウクライナ情勢で、ロシアにより通信手段を奪われたウクライナ軍を援護していたのは、イーロンマスクのスペースX社で開発された宇宙インターネットサービス『スターリンク』です。
この宇宙インターネットのおかげで、ロシアの動向も把握できたそうです。
スターリンクは運用にばく大な費用が費やされるので、米国が援助しないと「ウクライナから撤退する」とイーロンマスクのお騒がせ発言が最近取り上げられていますね!
早く終戦を迎えて、平和的利用に使用してほしいものです。
このスターリンクですが、2022年11月1日から日本でも利用できるようになりました。スペースXと契約したKDDIが日本でサービス開始しています。
アンテナとルーター購入で73,000円、通信料は12,300円。最初は東日本、東北、南北海道がサービス地域で今後拡大するそうです。
スターリンクは弁当箱程度の衛星にアンテナをつけたものですが、これを受信するにはアンテナとルーターが必須です。下記がスターリンクのイメージ動画です。
我々の頭上に既に約3500機ほど浮かんでいます。(2022年10月末)
ホリエモンとインターステラテクノロジズが目指している衛星通信サービスは、受信するためのアンテナやルーターは不要で、スマホで受信可能な、実用的で、利便性の高いものを目指しています!
スターリンクより使いやすそうですね!
地球観測サービス
この特徴は高度300km以下の超低高度を周回して、地球を観測するサービスを提供するそうです。
ISS(国際宇宙ステーション)の高度が地上400kmなので、それより100km、つまり地上〜ISSまでの距離の3/4以下の高さを安定的に周回するのです。
地上に近い方が地球を観測するのに有利ですよね!
しかし、地球に近い方が重力が強いから、高度を安定させる技術は難しそうですよね。
300kmは、ざっくり言うと東京〜仙台、もしくは東京〜名古屋程度の距離です。新幹線ですぐの距離ですね。
ポストISS時代の宇宙実験用衛星サービス
【宇宙−001】で紹介した通りISSには実験棟が4つ接続されています。その実験棟の1つが日本製の「きぼう」で、現在、若田さんも実験しています。
ISSには実験棟は4つしかありませんし、構造的にもこれ以上取り付けるためにはISSの増築が必要をなります。
実験棟がたくさんあって、宇宙空間での実験棟頻度が高まれば、宇宙開発は躍進しますよね!
そこで考えられたのが、この「ポストISS時代の宇宙実験用衛星」です。
募集中!
今、「ZERO」と「OUR STARS」はこのような革新的改革を実現するために総勢30名程度の大規模公募を実施しました。(2022年7月末)
最後に
ここまで読んでいただき、ありがとうございました。
まだまだ、インターステラテクノロジズでも書き足りないところもありますが、
今回はここまでにしますね!
宇宙空間を制御するにもプログラミングは必要です。
これからは、小さい頃からプログラミングの習慣に慣れた方がいいと思いますよ!
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